MRについて
製薬会社は絶えず新しい薬を開発しています。
薬の開発だけ見ると、地道で高度な仕事のように感じます。
そのような面があるのは確かですが、それだけでは利益を上げることはできません。
自社が開発した薬をできるだけ多く販売しなければなりません。
このタイプの会社の数は、決して少なくありません。
日本だけではなく、海外の会社もあります。
その結果として製薬会社同士で過酷な競争が繰り広げられています。
他の会社と同じように、営業の仕事が大切になります。
営業の人が、自社の薬のことを宣伝して、可能な限り多く販売することで、会社の利益は伸びていきます。
このタイプの会社の営業をする人は、MRと呼ばれます。
これはメディカル・リプレゼンタティブの略語です。
MRになるためには、特別な資格は必要ない場合があります。
しかし、看護師や薬剤師などの薬の知識を持っている人が、この仕事をしていることが多いです。
製薬会社は、いろいろな手段を使って普通の医師とコネを作ろうとします。
例えば、講演会を依頼して、それが終わった後に謝礼を払います。
医学や薬についての講演会です。
謝礼の金額は安いものではなく、5万円以上になることがあります。
講演会の時間は1時間程度なので、医師にとっては良いアルバイトです。
このような関係を使って、その医師に自社の薬を使ってもらうとします。
このような営業の仕方は、決して悪いものではありません。
過剰になったら、御金目当ての医師が出てくるかもしれません。
しかし適切な接待だったら、製薬会社と個々の医師が信頼関係を作れるようになります。
医師にとって、薬を選ぶのは大切な仕事です。
いろいろな種類があるので、その中で一番適切なものを選び出す必要があります。
ネットで調べたり、論文を読んだりすることで情報を得ることはある程度可能です。
しかし、直接製薬会社の営業の人の話を聞けば、その薬についての具体的な事実が分かるようになります。
地道なMRの仕事
他の営業の仕事と同じように、MRの仕事は地道なものです。
苦労も多いです。
しかし、新しくできた薬を広めると言う重要な役割を持っています。
その仕事がなければ、薬の会社は存続しないと言っても過言ではありません。
会社はこの点をよく理解していて、MRには高い報酬を払っています。
営業の能力の高い人だったら、年収が1000万円以上を超えることも珍しくありません。
楽な仕事ではないのですが、この仕事は比較的多くの人を惹きつけています。
MRの仕事に似たものに、治験コーディネーターがあります。
この仕事も製薬会社と密接なつながりがあります。
治験コーディネーターは、新しくできた薬の臨床試験を助ける仕事をします。
具体的には、各地の病院に足を運んで治験をさせてくれるように依頼します。
治験には患者さんが参加しなければなりません。
新しい薬なので、それを使う人は不安を感じることがあります。
そこでコーディネーターは、患者さんに薬の効果や副作用を伝えます。
副作用を伝えるのは、特に大切な仕事です。
どんな薬にも副作用があります。
新薬も例外ではありません。
副作用をしっかり伝えることで、治験に参加する患者さんの不安を小さくします。
治験コーディネーターについて
この治験コーディネーターも、薬の会社にとっては大切な存在です。
この人たちがいなけば、自社で開発した薬を実用化することは不可能になります。
薬の開発には大規模なコストが必要になります。
そのコストを無駄にしないためにも、治験コーディネーターの働きが重視されています。
この仕事も、看護師や薬剤師のような薬の知識を持っている人がなることが多いです。
この仕事は都市部だけではなく、地方でも多く募集されています。
薬の会社にとっては、特に地方でも治験が重要な意味を持っています。
本社から遠い土地で、自社の薬が受け入れられるきっかけになるからです。
治験コーディネーターは、医師とも協力して仕事を進めます。
医師には治験のお願いをしたり、治験の進み具合を報告したりします。
それからその薬の良さを説明することもあります。
治験は長い期間になることが多いので、病院との信頼関係が大切になります。
これまで述べたように治験コーディネーターの仕事は多岐にわたっており、難しい面があります。
それでも、この仕事を希望する人の数は少なくありません。
薬を作る会社とこれまで述べた仕事は、結び付きにくいイメージがあります。
しかし、薬の会社も普通の会社と同じだと言うことを忘れていけません。
普通の会社のように利益を上げないと存続できません。
しかしも薬の価格は高いので、利益の量も莫大なものになります。
開発するために多くのコストを使っているのですが、それを差し引いても、莫大な利益を上げられるようになります。
それを支えているのは、営業の担当者と治験の担当者です。
この2つの仕事をする人がいなければ、薬の会社はうまくいきません。
実際に働いている人たちも、そのことを誇りにしています。
最終更新日 2025年7月9日