私はベーシストとしてスタジオミュージシャンをしております。
ギター、ベース、ドラム、キーボード(ピアノ)などの知名度の高く手の出しやすい楽器は競争率が高く、ある程度の知名度とそれ相応の実力がない限りはスタジオミュージシャンになれません。
自立できない人に多いことのひとつが、リズム感がない事です。
弾いている自らではあると思いつつも、わかる人が聞けば不快感を感じるほどの小さなずれも、プロとしてしっかり仕事とする場合には基本中の基本となるのです。
特に近年では「超速奏法」や「ど派手な演出力」がとても人気が高く、そちらを特化するがために無駄な自信を持っているという方が大半です。
自分の場合はリズム感とグルーブをとても大切にしており、そこだけは決して負けない自信を持てるほどに毎日しっかり時間を決めて練習しています。
特にリズム感は少しでもずれてしまえば、それを仕事としている者として失格となってしまうほど重要なものです。
例えるならトラック運転手の方が自動車免許を持っているという事と同格のものです。
テンポを変えられても一瞬で対応できるほどの適応力と安定感がなければ、私たちの業界では信用を失い、それはつまり自らの仕事を失うことに直結してしまうのです。
さらに譜面をすぐに演奏できる「初見演奏」の能力や、キーやテンポの変更に即座に対応できる応用力と、その場での要望に応えることができるアドリブ能力がとても重要となる仕事ですので、1つの譜面を色々な角度から練習することも欠かせません。
難易度の高い譜面などが重要視される昨今ですが、実は基礎的な譜面も実際の現場では多く使われております。
それに実際自らのリズム感の基盤をしっかり鍛えられるのはそのような譜面なのです。
実際の私の収入ですが、時給制で給金を頂いております。
始めた当初は1h9000円ほど、現在は知名度の高い方の楽曲を担当した経験もあるのでかなり上がっています。
ボーナス等はありませんが、他の人にはない対応力やサービスを追求した結果、時給の他にスタッフの方々から色々なものをもらう事もあります。
なお、様々な楽曲に対応するために多種の弦・ベースを用意し、エフェクターを通す前から音にはとても拘っております。
実際に自分の思っていた音と要望されていた音との差があってはならないので、しっかりと根底から対応することが重要だと考えています。
スタジオミュージシャンを目指す方は、基本と自らの長所をしっかりと伸ばして、他の人とは違う魅力を引き出していくことをお勧めします。
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最終更新日 2025年7月9日